一枚の板を組み合わせたり、剥いだりして大きな板となり、釘やダボなどでつなぎ合わせることにより、家具は出来上がっていきます。
　家具は、お家の一部であり、生活用具であり、家族の道具です。毎日目に触れ、手で触れ、使っていくものです。そして何十年も使えるものでなければいけません。ちょっとした流行はありますが、使いやすく、すべらかな手触りなど昔からの居心地のよい家具としての定義は変わりません。
　当社は江戸時代に創業し、旧池田藩にタンスを献上するところからスタートしました。婚礼タンスが主流の時代は、収納家具を中心に製作していましたが、ライフスタイルの変化に合わせ、長年培った技術を活かしてテーブル、椅子やテレビボードなど多岐にわたる家具を製造するようになりました。
　これから若年層の人口減少が顕著となり、ライフスタイルもさらに変わっていくことと思います。時代の変化に伴い、家具の大きさや素材を変えつつも「普遍的に使用できるシンプルかつ重厚な家具」を目指して日々の技術向上に努めてまいります。
　そして、これからも１本１本の木目と向き合い、お家の道具の一部になれるよう、人の記憶に残るモノづくりを続けていきたいと思います。

代表取締役　冨田　紀美